ベネフィット・ファインディング
「ベネフィット・ファインディング」(benefit finding)とは、辛く苦しい逆境のなかに意味や価値を発見していくこと。
うつ病や心臓病のリスク低下、免疫機能の強化、生活の満足度の向上などに効果的である。
医療をめぐる不安に対して、命に関わる病気を経験した人たちやその介護者は、「いまこの瞬間を大切に生きることを学んだ」と言ったよい面だけでなく、体の疲れや将来に対する不安を感じるなど、悪い面についても述べる人のほうが、個人的な成長や、介護を通じた人間関係と深まりが持続することがわかっている。
スポーツ選手の立場ではイチロー選手がこんな言葉を残している。
イチロー選手の言葉(引退記者会見)
「少しずつの積み重ねでしか、自分を超えていけないと思っているんですよね。一気に高みにいるとすると、今の自分とギャップがありすぎて、それを続けられない。地道に進むしかない。ある時は後退しかしない時もあるので、自分がやると決めたことを信じてやっていく。でも、それは正解とは限らない。間違ったことを続けているかもしれない。遠回りをすることで、本当の自分に出会えると思っている。」
【イチロー節全開84分深夜の引退会見/全文一気読み】『日刊スポーツ』(2019年3月22日)
ただ、良いことばかりを見つめようとするのではなく、良い面も悪い面も認識して、否定的なことも前向きなことも受け入れて、歩むことが大切である。